昨年10月からこのブログ放置してました。。そろそろ書こうかな。


by yokoyoko10
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急に、村上春樹

わたしは、村上春樹にまったく興味がありませんでした。
「ノルウェーの森」、ベストセラーになったときに、一応読んでみたけど、
読後感も、ストーリーも、なんにも覚えていない。

5月に一回帰国したときに、重量を気にしつつ厳選してもってきた本の中に
彼の「シドニー!」という文庫本をつっこんできました。
これは、シドニーオリンピックの記録集みたいなものだったから、いわば北京オリンピックの
参考書代わりにもってきたのです。(まあ実際はぜんぜん関係ないんだけど)

夏休みがはじまるまで、たまに日本語の活字を読んでも、常にニュースとか参考書とか
ビジネス系とか。小説めいたものを読む時間も、余力も、まったく残ってなかった。
夏休みをむかえて、ようやく手に取った「シドニー!」
そこでわたしは、びっくりしたんです。

なんてフラットなんだろう、と。
行動も、視線も、筆致も、ことさらに特別めいたにおいを感じさせない。
出版社のお金で取材にきているわりには普通の人と同じようなホテルにとまり、電車で行動し、
普通の人と同じようにキャシー・フリーマンの400M金メダルに感動しつつ、つまらない出来事には悪態をついてみたり、
そしてそういうときの心のひだとか空気みたいなものを、仰々しさをみじんも感じさせず
自分のピッチで普通につづっている。

これはまいったなあ、って思いました。
シドニーオリンピックのころに彼は51歳で、その年代にして、こんなにつるりとした、
おやじくささとは対極にあるものの見方とか筆の運び方があるのだなあと思いました。
むしろ危険なのは、彼の文章は、まねできそうな錯覚をおこすことかもしれません。
爽快な映画をみたあとに、主人公のイカした感じをなぞりたくなってしまう感じに
にてるかもしれない。

彼の小説を無性によみたくなりました。
エッセーと小説では、またずいぶんちがうのかもしれないけど。
とにかく、ニュースとか参考書とはちがう日本語に、すごく触れたくなりました。
日本人が幸せなのは、同じ母国語をもつ彼のような人の文章を、彼がかいたまま
そのまま読めることだと思いました。
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by yokoyoko10 | 2006-07-12 02:33